FBIが保管していた“空飛ぶ円盤”ファイル──1966年、UFOブームと市民団体をめぐる奇妙な記録

事件発生日:該当なし

文書年代:1947年6月〜1968年7月の記録を含むFBI事件ファイルの一部

主な収録時期:1966年

公開日:2026年5月8日

発生場所:該当なし

公開元:FBI

文書の種類:PDF

アセットファイル名:65_HS1-834228961_62-HQ-83894_Section_10

出典:U.S. Department of War「65_HS1-834228961_62-HQ-83894_Section_10」 / 65_hs1-834228961_62-hq-83894_section_10.pdf

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2026年5月8日、米国の戦争省は「Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters(PURSUE)」Release 01の一部として、FBIのUFO関連事件ファイルを公開した。

今回の資料は「65_HS1-834228961_62-HQ-83894_Section_10」。FBIの事件ファイル番号「62-HQ-83894」に属する文書の一部である。

この事件ファイルには、1947年6月から1968年7月までに記録された未確認飛行物体、いわゆる「空飛ぶ円盤」に関する捜査記録、目撃証言、公開報告書、新聞記事、民間団体資料などが含まれている。

今回のPDFは20ページ構成で、主に1966年の資料が目立つ。

J・エドガー・フーヴァー名義の返信書簡、UFO愛好家団体の大会資料、「Flying Saucers International」という会報、新聞切り抜き、そしてFBI内部メモ。

そこにあるのは、単なるUFO目撃談ではない。

1960年代のアメリカで、空飛ぶ円盤というテーマが、市民団体、出版物、新聞、政治的疑念、FBIの記録管理の中にどう入り込んでいたのかを示す資料である。

FBIの“空飛ぶ円盤”事件ファイル

この資料の表紙には、FBI中央記録センターのラベルとともに「62-HQ-83894」「Section 10」と記されている。

ファイルには「Serials 448-」という管理表示も見える。

つまり、これは単発の文書ではなく、長く蓄積されたFBIのUFO関連ファイルの一部である。

出典元の説明によれば、この事件ファイルには、1947年6月から1968年7月の間に記録された、未確認飛行物体および空飛ぶ円盤に関する捜査記録、目撃証言、公開報告書が含まれている。

FBIの保管庫では一部公開されていたものの、今回掲載されているものは、より完全に近い事件ファイルであり、新たに機密解除されたページと、わずかな黒塗りのみを含むものと説明されている。

J・エドガー・フーヴァーからの返信

PDFの序盤には、1966年9月6日付の書簡が収録されている。

差出人はFBI長官J・エドガー・フーヴァー。宛先はニューハンプシャー州ゴフスタウンのMrs. Levi J. Dowである。

内容は、彼女が送った1966年8月31日付の手紙と同封物に対する返信だ。

フーヴァーは、FBIが連邦政府の厳密な捜査機関であり、飛行物体の調査については結論を出していない、という趣旨の回答をしている。

そして、同封された内容は記録として残すと述べている。

注記には、FBIのファイルには「Amalgamated Flying Saucer Clubs of America, Inc.(※全米合同空飛ぶ円盤クラブ)」に関する記録はない、という趣旨の記載も見える。

ここが面白い。

市民から送られてきた空飛ぶ円盤関連の資料に対して、FBI長官名義で形式的に返答しつつ、同時に内部では、その団体が記録上どう扱われているかが確認されている。

市民の手紙ににじむ“UFO団体への不安”

続いて収録されているのは、Mrs. Florence C. Dowによる1966年8月31日付の手紙である。

彼女は、自分が「Nicap」に関心を持っていると書いている。NICAP(※全米空中現象調査委員会)は、当時の有名なUFO研究団体である。

手紙の内容からは、彼女がUFOそのものだけでなく、UFO関連団体の背後にある思想や政治的影響を気にしていたことがうかがえる。

彼女は、同封された資料を読み、そこに共産主義的な影響があるのではないかと懸念しているように読める。

1966年のアメリカである。

空飛ぶ円盤は、単なる空の謎ではなかった。

冷戦、共産主義への警戒、市民団体への疑念、政府機関への問い合わせ。そうした時代の空気の中で、UFOというテーマが扱われていた。

空飛ぶ円盤クラブの大会資料

PDFの中盤には、AFSCA(※全米合同空飛ぶ円盤クラブ)の大会資料が収録されている。

資料には「3rd National Flying Saucer Convention」とあり、開催地はネバダ州リノ。日程は1966年7月8日、9日、10日と読める。

会場はCentennial Coliseum。

大会資料には、講演者、研究者、展示、写真、空飛ぶ円盤関連の出版物などが掲載されている。

そこには、当時のUFO文化の熱気がある。

ただの目撃談だけではない。大会があり、会報があり、講演者がいて、参加登録用紙があり、販売される出版物があり、写真や新聞記事の切り抜きがある。

1960年代のUFOブームは、すでにかなり組織化された市民文化になっていた。

「Flying Saucers International」という会報

PDFには「Flying Saucers International」と題された会報のページも含まれている。

発行主体はAmalgamated Flying Saucer Clubs of America, Inc.(※全米合同空飛ぶ円盤クラブ)。

1966年7月号で、価格は50セントと表示されている。

表紙には、森の上空を飛ぶ円盤状の物体の写真またはイラストが大きく掲載されている。

中面には、各地の目撃談、新聞記事、研究者の文章、大会関連情報などが詰め込まれている。

まるでUFO版の業界誌である。

読者は単に「空に変なものを見た」という人々だけではない。

研究者、愛好家、講演者、団体運営者、そして疑念を持つ市民たちが、このメディア空間の中でつながっていた。

新聞切り抜きが示す“空飛ぶ円盤の時代”

PDFには、多数の新聞切り抜きも収録されている。

見出しには「Tracked by Radar」「UFOs Sighted Over Wide Section of District」「Six Teens Tell of Chase by Buzzing, Lighted UFOs」「Flying Saucers Are Poppin’ Up All Over」「Civil Defense Director Watches ‘Flying Saucer’」などの文字が見える。

いずれも、空飛ぶ円盤やUFOが当時の新聞で広く扱われていたことを示している。

特に興味深いのは、UFOが単なる娯楽記事ではなく、レーダー、警察、民間防衛、若者の目撃談、地域社会の話題として報じられている点だ。

空飛ぶ円盤は、当時のアメリカ社会において、笑い話でもあり、不安でもあり、科学的好奇心でもあり、時に安全保障の問題でもあった。

新聞切り抜きの集合は、その混ざり合った空気をよく伝えている。

「空飛ぶ円盤は実在する!」という広告

PDFの後半には、「FLYING SAUCERS ARE REAL!」と大きく書かれた広告のような画像も収録されている。

そこには、AFSCA WORLD REPORTの購読案内らしき文面があり、12号で3ドルと読める。

発行元として、Gabriel Greenの名前と、ロサンゼルスの住所も記載されている。

この一枚は、当時のUFO文化を象徴している。

空飛ぶ円盤は、目撃談であり、信念であり、商品でもあった。

人々はレポートを買い、会報を読み、大会に参加し、写真を見て、新聞記事を集めていた。

FBIのファイルに残されたのは、まさにその文化の断片である。

FBI内部メモが示す距離感

PDFの終盤には、1966年10月3日付のFBI内部メモがある。

宛先はFBI長官。差出はロサンゼルスのSAC(※特別捜査官責任者)宛ての系統に見える。

件名には、Flying Saucers International、Amalgamated Flying Saucer Clubs of America, Inc.などの名称が並ぶ。

メモの内容からは、FBIがこの団体について積極的な捜査を行っているというより、問い合わせや資料送付に応じて、記録確認をしている様子がうかがえる。

また、FBI長官名義の別の返信書簡では、未確認飛行物体や空飛ぶ円盤の目撃に関する事柄はFBIの管轄ではなく、空軍の管轄であるという趣旨も示されている。

つまり、FBIはUFO現象そのものを追っていたというより、関係する市民団体、資料、問い合わせ、そして必要に応じた他機関への照会を記録していた。

この距離感が、資料全体から見えてくる。

このファイルが面白い理由

この資料は、UFOの正体を明かすものではない。

墜落した機体の秘密資料でもなければ、宇宙人の存在を証明する文書でもない。

しかし、別の意味で非常に面白い。

それは、1960年代のアメリカ社会で「空飛ぶ円盤」がどのように扱われていたのかを、そのまま保存しているからだ。

市民はFBIに手紙を書く。

FBI長官は返信する。

UFO団体は大会を開く。

会報は売られる。

新聞は目撃談を大きく扱う。

そしてFBIは、それらを事件ファイルの中に保管する。

UFOとは、空に現れる謎だけではない。

それを見た人、信じた人、疑った人、商売にした人、調査しようとした人、警戒した人、記録した人たちが作る社会現象でもある。

このファイルは、そのことをよく示している。

“空飛ぶ円盤”は、政府記録の中で文化になった

1947年以降、アメリカでは空飛ぶ円盤の目撃談が急増した。

そして1960年代には、それは単なる噂ではなく、新聞、雑誌、市民団体、大会、政府機関への問い合わせを巻き込む大きな文化になっていた。

今回のSection 10には、その文化の一部が詰め込まれている。

手紙、返信、会報、広告、新聞切り抜き、内部メモ。

ひとつひとつは小さな紙片である。

だが、それらを並べると、当時のアメリカ社会が「空飛ぶ円盤」をどう受け止めていたのかが見えてくる。

真実を求める人。

不安を感じる人。

商機を見出す人。

公的機関に判断を求める人。

そして、管轄外だとしながらも記録を残すFBI。

この資料は、UFOの正体ではなく、UFOをめぐる人間社会の正体を映している。


全文翻訳

出典元ページの説明

FBIの62-HQ-83894事件ファイルには、1947年6月から1968年7月の間に記録された未確認飛行物体および飛行円盤に関する捜査記録、目撃証言、および公開報告書が含まれている。

記録には、注目を集めた事件の報告、テネシー州オークリッジなどの場所からの写真証拠、および潜在的な推進システムに関する技術提案が含まれている。

その他のトピックには、会議プログラム、研究者の報告、および当時の広範なメディア報道が含まれる。

このファイルは、FBI保管庫に一部公開されているが、より多くの黒塗りがあり、一部のページが欠落している。

ここに掲載されているのは、新たに機密解除された数ページと、わずかな黒塗りのみを含む完全な事件ファイルである。

アセットファイル名:65_HS1-834228961_62-HQ-83894_Section_10

公開日:2026年5月8日

機関:FBI

事件発生日:該当なし

事件発生場所:該当なし

文書の種類:PDF

PDF内容の翻訳・要約

注:このPDFは画像スキャン資料であり、ページ内テキストの多くは自動抽出できない。以下は、画像上で判読できる主要部分をもとにした翻訳・要約である。

ページ1:FBI事件ファイル表紙

FBI中央記録センターのファイル表紙。

ファイル番号として「62-HQ-83894」、セクション番号として「Section 10」が確認できる。

表紙には「Use care in handling this file」、つまり「このファイルの取り扱いに注意」といった管理上の注意書きが見える。

ページ2:J・エドガー・フーヴァーからの返信書簡

日付:1966年9月6日

宛先:Mrs. Levi J. Dow, Goffstown, New Hampshire

差出人:J. Edgar Hoover, Director

あなたの1966年8月31日付の手紙と同封物を受け取りました。

お問い合わせについて、この局は連邦政府の厳密な捜査機関であり、未確認飛行物体に関する評価や結論を出すことはしていません。

連邦法違反が明確に示されない限り、この件について調査を行う権限はありません。

ただし、あなたの通信は記録として残されます。

注記:FBIのファイルには、Amalgamated Flying Saucer Clubs of America, Inc.(※全米合同空飛ぶ円盤クラブ)に関する記録はない、という趣旨の記載がある。

ページ4:Mrs. Florence C. Dowの手紙

日付:1966年8月31日

宛先:J. E. Hoover, FBI Director

私はNICAP(※全米空中現象調査委員会)の会員であり、UFO、つまり空飛ぶ円盤にとても関心があります。

数週間前、同僚が空飛ぶ円盤の切手に関する手紙を受け取りました。

私はUFOに関心があったので、その切手を求め、3ドルを支払って12号分のAFSCAレポートを申し込みました。

最初の号を受け取って読んだところ、私が期待していた内容とは違うように感じました。

私はこの件についてどうすべきか分かりませんが、自分の限られた理解では、共産主義的な思想に支えられているように思えます。

私は自分を真のアメリカ人だと考えており、祖先はアメリカ独立戦争以前にまでさかのぼります。

私は共産党と関わるような組織には関わりたくありません。

もしこの件を調査する方法があるなら、教えていただきたいです。

ページ8〜15:AFSCA大会資料、会報、新聞切り抜き

AFSCA(※全米合同空飛ぶ円盤クラブ)の第3回全国空飛ぶ円盤大会資料が収録されている。

大会名は「3rd National Flying Saucer Convention」。開催地はネバダ州リノ。日程は1966年7月8日、9日、10日。

会報「Flying Saucers International」1966年7月号も収録されている。

表紙には「Amalgamated Flying Saucer Clubs of America, Inc.」と記載され、価格は50セント。

新聞切り抜きには、レーダーで追跡されたUFO、広い地域で目撃されたUFO、若者たちが追跡した光るUFO、空飛ぶ円盤関連の世論調査や地域報道などが含まれている。

これらの資料は、1960年代当時、空飛ぶ円盤が新聞、会報、大会、広告を通じて広く流通していたことを示している。

ページ16:広告資料

「FLYING SAUCERS ARE REAL!」つまり「空飛ぶ円盤は実在する!」と大きく書かれた広告資料。

AFSCA WORLD REPORTの購読案内と思われる内容で、「12 issues $3.00」と読める。

発行元はAmalgamated Flying Saucer Clubs of Americaで、Gabriel Greenの名前が確認できる。

ページ18:FBI内部メモ

日付:1966年10月3日

宛先:FBI長官

件名:Flying Saucers International、Amalgamated Flying Saucer Clubs of America, Inc.、その他関連事項

このメモでは、フィラデルフィア支局から送られた書簡により、Flying Saucers Internationalという出版物、およびAmalgamated Flying Saucer Clubs of America, Inc.に関する照会が共有されている。

記録上、ロサンゼルス支局のファイルには、当該団体についての調査が行われた情報はない、という趣旨の記載がある。

また、FBI本部へ情報提供された旨が記されている。

ページ20:Paul L. Wrightへの返信書簡

日付:1966年10月17日

宛先:Mr. Paul L. Wright, Atlanta, Georgia

差出人:J. Edgar Hoover

あなたの10月9日付の手紙を受け取りました。

未確認飛行物体、または空飛ぶ円盤の目撃に関する事柄については、FBIの管轄にはありません。

あなたの通信は他の政府機関にも関心のある内容であるため、空軍長官室の特別捜査担当総監に写しを送ります。

出典:U.S. Department of War「Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters(PURSUE)」Release 01、および「65_hs1-834228961_62-hq-83894_section_10.pdf」

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