事件発生日:2023年9月12日
公電日付:2023年9月16日
公開日:2026年5月8日
発生場所:メキシコ
公開元:国務省
文書の種類:PDF
アセットファイル名:国務省UAP通信5号、メキシコ、2003年9月16日
出典:U.S. Department of War「State Department UAP Cable 5, Mexico, September 16, 2003」 / 059uap00013.pdf
2026年5月8日、米国の戦争省は「Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters(PURSUE)」Release 01の一部として、国務省のUAP関連公電を公開した。
今回の資料は、「State Department UAP Cable 5, Mexico, September 16, 2003」として掲載されている。ただし、PDF本文の公電日付は2023年9月16日であり、内容も2023年9月11日から15日までのメキシコ政治情勢をまとめた「Mexico: Weekly Political Blotter」である。
その中に、かなり異様な項目が含まれている。
項目名は「Mexican Congress Hears Testimony on Alien Life」、つまり「メキシコ議会、宇宙人生命に関する証言を聴取」である。
2023年9月12日、メキシコ議会はUAP(※未確認航空現象)に関する専門家証言を聞いた。議題は、航空宇宙保護法にUAPをどう位置づけるかというものだった。
そしてこの公聴会では、UAPの認知や空域安全保障だけでなく、いわゆる「非人類の遺体」とされるものまで提示された。
国務省公電に記録された“宇宙人公聴会”
このPDFは、在メキシコ米国大使館からワシントンの国務省へ送られた非機密の公電である。
件名は「Mexico: Weekly Political Blotter, Sep 11-15」。つまり、メキシコ国内の政治動向を週次でまとめた報告書だ。
文書全体には、メキシコの大統領選に向けた与党MORENA内部の動き、メキシコ市の治安当局人事、ゲレロ州での検察官襲撃、グアダラハラ市長の州知事選出馬など、通常の政治・治安情報が並んでいる。
その最後に登場するのが、UAPに関するメキシコ議会の公聴会である。
政治ブロッターの中に、突然「宇宙人生命に関する証言」が入ってくる。この異物感が、まず面白い。
航空宇宙保護法とUAP
公電によれば、メキシコ議会は2023年9月12日、UAP(※未確認航空現象)について専門家から証言を聞いた。
この公聴会は、航空宇宙保護法におけるUAP関連文言を議論するためのものだった。
公電では、もしこの法案が承認されれば、メキシコは地球上に宇宙人生命が存在することを公式に認める最初の国になる、と記されている。
かなり強い表現である。
通常、UAPの議論は「未確認の飛行現象を調査する」「空域の安全を確保する」という言い方に留まることが多い。
しかし、この公電では、メキシコ議会での議論が「alien life」、つまり宇宙人生命の存在認知にまで踏み込む可能性があるものとして記録されている。
専門家たちは何を求めたのか
公電によると、専門家たちはメキシコの議員たちに対し、3つのことを求めた。
第一に、UAP(※未確認航空現象)を認めること。
第二に、空域の安全を保証すること。
第三に、UAPの研究を可能にすること。
ここだけを読むと、比較的まともな政策提言にも見える。
未知の飛行物体があるなら、空域の安全保障上、把握と研究が必要になる。航空機の安全、軍事施設の防衛、民間航空への影響を考えれば、UAPを無視すること自体がリスクになる。
だが、この公聴会はそれだけでは終わらなかった。
提示された“非人類の遺体”
公電には、専門家たちがメキシコ議会に2体の「alleged alien corpses」、つまり「宇宙人の遺体とされるもの」を提示したと記されている。
さらに、メキシコ人パイロットが飛行中に高速で移動する飛行物体と遭遇した映像も提示されたという。
PDFの6ページには、そのうちのひとつとして、メキシコ人ジャーナリストのJaime Maussanが議会に提示した「非人類の存在の遺体とされるもの」の写真が掲載されている。
写真には、小さな人型のミイラ状のものが横たわっている。
これだけを見ると、非常にインパクトがある。
だが、ここで重要なのは、公電がそれを事実として認めているわけではないという点だ。
文書上の表現は、あくまで「alleged」、つまり「そう主張されている」「〜とされる」という扱いである。
Ryan Gravesは失望を表明した
公聴会には、メキシコ人ジャーナリストのJaime Maussanのほか、元米海軍パイロットのRyan Gravesも参加していた。
Ryan Gravesは、以前に米国議会でもUAPについて証言した人物である。
しかし公電によると、公聴会後、Gravesはこの「遺体」の展示について失望を表明した。
彼は、その展示が、自分や他のパイロットたちのUAP体験から注意をそらしてしまったと嘆いた。
さらに、Maussanによるこの展示を「根拠のない見世物」と表現して失望を示したと、公電には記録されている。
ここはかなり重要だ。
UAP問題を真剣に扱おうとする側にとって、未検証の「宇宙人遺体」展示は、むしろ議論全体の信頼性を下げる危険がある。
この公電は、その内部的な緊張も記録している。
過去の“宇宙人遺体”も科学者に否定されていた
公電はさらに、Maussanが過去に宇宙人生命の証拠として提示した「宇宙人の遺体とされるもの」について、科学者たちが信憑性を否定してきたとも記している。
つまり、米国務省の公電は、この件を無批判に扱っているわけではない。
むしろ、メキシコ議会でUAPや空域安全保障が議論されたこと自体は記録しつつ、同時に「宇宙人遺体」については慎重な距離を取っている。
ここが、この文書の読みどころだ。
UAP問題は、空域安全保障やパイロット証言のような現実的な問題と、真偽不明の派手な主張が、同じ舞台に乗ってしまう。
だからこそ、真面目に扱うほど、何を根拠ある証言として扱い、何を未検証の主張として分けるのかが重要になる。
これは“UAPの公的議論”と“宇宙人ショー”が衝突した記録である
この公電は、UAPそのものを証明する資料ではない。
また、提示された「非人類の遺体」が本物であると認定するものでもない。
しかし、非常に興味深い記録であることは間違いない。
なぜなら、メキシコ議会という公的な場で、UAPの認知、空域安全保障、研究許可が議論され、同時に「宇宙人の遺体」とされるものまで提示されたからだ。
しかも、それを在メキシコ米国大使館が国務省へ報告し、後にPURSUE Release 01の一部として公開した。
UAP問題は、単なるオカルトではない。
一方で、未検証の主張が入り込むことで、すぐに見世物にもなってしまう。
この資料は、その両方を同時に示している。
UAPを空域安全保障の問題として扱おうとする人々。
そこに持ち込まれる「非人類の遺体」とされるもの。
そして、それに失望する元軍パイロット。
この公電は、UAPをめぐる現代的な混乱そのものを、短い政治報告の中に閉じ込めている。
全文翻訳
出典元ページの説明
2002年9月12日、メキシコ議会は、航空宇宙保護法に関する議論に関連して、UAP(※未確認航空現象)に関する専門家の証言を聞いた。
この法律が承認されれば、メキシコは地球上に地球外生命体が存在することを正式に認める最初の国となる。
専門家は議員に対し、UAPを認め、空域の安全を保証し、UAPの研究を許可するよう求めた。
彼らは、地球外生命体の遺体とされるものや、メキシコ人パイロットが飛行中に高速で移動する飛行物体に遭遇した際の映像を提示した。
地球外生命体の遺体とされるものの有効性と信憑性については意見が分かれた。
アセットファイル名:国務省UAP通信5号、メキシコ、2003年9月16日
公開日:2026年5月8日
機関:国務省
事件発生日:2003年9月12日
事件発生場所:メキシコ
文書の種類:PDF
国務省公電の基本情報
分類:非機密
MRN:23 MEXICO 2544
日付:2023年9月16日 / 160150Z SEP 23
発信元:在メキシコ米国大使館
宛先:ワシントンD.C.、国務省、通常扱い
件名:メキシコ:週間政治ブロッター、9月11日〜15日
この在メキシコ米国使節団の政治ブロッターでは、以下の項目を取り上げる。
- EbrardがMORENAの選出結果に異議を唱え、離党を示唆
- INEが2024年選挙を前に委員会メンバーを任命
- メキシコ市治安長官が辞任し、メキシコ市政府首長選への出馬の可能性
- Pablo Vazquezがメキシコ市の新治安長官に就任
- 元MORENA上院指導者Ricardo Monrealはメキシコ市政府首長選に出馬せず
- ゲレロ州で犯罪者が検察官を標的にして殺害
- グアダラハラ市長が州知事選キャンペーンを開始
- メキシコ議会が宇宙人生命に関する証言を聴取
メキシコ議会、宇宙人生命に関する証言を聴取
メキシコ議会は9月12日、UAP(※未確認航空現象)に関する証言を聞いた。証言者には、メキシコ人ジャーナリストのJaime Maussanや、以前に米国議会で証言した元米海軍パイロットのRyan Gravesが含まれていた。
この公聴会は、航空宇宙保護法におけるUAPに関する文言を議論するためのものだった。この法律が承認されれば、メキシコは地球上に宇宙人生命が存在することを公式に認める最初の国となる。
専門家たちは議員に対し、UAP(※未確認航空現象)を認め、空域の安全を保証し、UAPの研究を可能にするよう求めた。
専門家たちはまた、宇宙人の遺体とされるもの2体と、メキシコ人パイロットが飛行中に高速で移動する飛行物体と遭遇した映像を議会に提示した。
公聴会後、Gravesは、その展示が自分や他のパイロットたちのUAP体験から注意をそらしてしまったと嘆き、Maussanの「根拠のない見世物」に失望を表明した。
科学者たちは、Maussanが宇宙人生命の証拠として過去に提示した宇宙人の遺体とされるものについて、信憑性を否定してきた。
図1:メキシコ人ジャーナリストのJaime Maussanは、非人類の存在の遺体とされるものを議会に提示した。写真提供:Reuters。
署名・作成・配布情報
署名:SALAZAR
作成者:MEXICO: Moreno, Sergio A
確認者:POL: Cortazar, Eduardo / POL: Karimi, Amanda / EXEC: Tejeda, Maria de los Angeles / POL: Naranjo, Brian / ECON: Conlon, Steven / PD: Harder, J / INL/PROG: Okwuje, Ifeoma / CONS/AG: Bernsteen, Gregory
承認者:EXEC: Johnson, Mark
情報共有先:国家安全保障会議、ホワイトハウス、副大統領府、DNI(※国家情報長官室)、CIA、DIA(※国防情報局)、USNORTHCOM(※米北方軍)、国土安全保障省、司法省、USSOUTHCOM(※米南方軍)、西半球担当外交公館、メキシコ国内の全米国領事館など。
出典:U.S. Department of War「Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters(PURSUE)」Release 01、および「059uap00013.pdf」
