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  • ジェミニ7号が見た“ボギー”──NASA通信記録に残された1965年のUFO目撃

    事件発生日:1965年12月5日

    公開日:2026年5月8日

    発生場所:低軌道

    公開元:NASA

    文書の種類:PDF

    アセットファイル名:NASA-UAP-D3、ジェミニ7号の記録、1965年

    出典:U.S. Department of War「NASA-UAP-D3, Gemini 7 Transcript, 1965」 / 255_t_763_r1b_transcripts.pdf

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    2026年5月8日、米国の戦争省は「Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters(PURSUE)」Release 01の一部として、NASAのジェミニ7号に関する通信記録を公開した。

    今回の資料は「NASA-UAP-D3, Gemini 7 Transcript, 1965」。日本語でいえば、「NASA-UAP-D3、ジェミニ7号の記録、1965年」である。

    ジェミニ7号は、アメリカで10回目の有人宇宙飛行だった。搭乗していたのは、フランク・ボーマンとジェームズ・“ジム”・ラヴェル。

    この文書には、宇宙船ジェミニ7号と、テキサス州ヒューストンの有人宇宙船センター、現在のジョンソン宇宙センターとの通信記録が含まれている。

    そして、その冒頭に出てくる言葉が強い。

    「ボギー」。

    当時、正体不明の航空機や対象を指す言葉として使われた表現である。

    「10時方向、高くにボギー」

    通信記録では、まずジェミニ7号側がヒューストンに呼びかける。

    ヒューストンが「大きく明瞭に聞こえる、続けて」と返すと、宇宙船側はこう報告する。

    「10時方向、高くにボギーがある」。

    ヒューストンは聞き返す。

    「こちらヒューストン、もう一度」。

    ボーマンは再び答える。

    「10時方向、高くにボギーがある」。

    ヒューストンは、それがブースターなのか、それとも自然の目撃なのかを確認しようとする。

    しかし、ボーマンはそこで別のものにも言及する。

    「こちらにデブリがある。これは実際の目撃だ」。

    ここで話は、単純な“ひとつの物体”から、周囲に広がる粒子群へと変わっていく。

    数百個の小さな粒子

    ボーマンは、周囲に「非常に多くの」粒子があると説明する。

    それは「数百個の小さな粒子」のように見え、宇宙船の左側を通過していったという。

    ヒューストンは距離を尋ねる。

    ボーマンは、途中で聞き取りにくい部分を挟みながら、およそ4マイルと答えている。

    さらに、それは90度の角度で進む経路のように見えるとも述べている。

    ヒューストンは、その粒子群がおよそ3〜4マイル離れていると理解した。

    宇宙船の周囲に、何百もの小さな粒子があり、それが左側を通過していく。

    この時点で、目撃対象は単なる一点の光ではなく、宇宙空間に広がるデブリフィールドのようなものとして認識されていた。

    ブースターも視認されていた

    通信記録では、ボーマンやラヴェルがブースターについても話している。

    ボーマンは、ブースターも視界に入っていると報告する。

    ヒューストンは、それならブースターを見ているのだと理解する。

    その後、ラヴェルが発言する。

    「ブースターは自分の側にある」。

    そして、その見え方をこう説明する。

    「太陽に照らされた輝く物体で、黒い背景に何兆もの粒子が付着している」。

    宇宙空間ならではの描写である。

    黒い背景、太陽に照らされる物体、そこにまとわりつく無数の粒子。

    地上のUFO目撃とはまったく違う、低軌道上の異様な光景が記録されている。

    未確認物体、粒子、ブースターは同じものだったのか

    この記録の読みどころは、ヒューストン側が何を確認しようとしていたかにある。

    彼らは、ボーマンが言った「ボギー」が、ブースターなのか、粒子なのか、それとも第3の未確認物体なのかを整理しようとしている。

    記録の末尾近くでは、PAO(※広報担当官)のコメントとして、この会話における「第3の未確認物体」がボギーであり、ボギーについて複数回の言及があったと説明されている。

    つまり、単純に「ブースターを見間違えた」とだけ片づけているわけではない。

    少なくとも通信記録の整理上は、ブースター、粒子、そして未確認物体が区別されうるものとして扱われている。

    もちろん、それが異星人の乗り物を意味するわけではない。

    宇宙船周辺のデブリ、ブースター、反射、視覚的錯覚、軌道上の既知物体など、考えられる可能性はいくつもある。

    しかし、当時の通信記録には、宇宙飛行士が何かを見て、ヒューストンがそれを確認しようとした生々しいやり取りが残されている。

    手書きメモに残された「UFO Sighting by Borman」

    このPDFには、タイプされた通信記録だけでなく、手書きのメモも含まれている。

    その右上には、「UFO Sighting by Borman」と読める注記がある。

    日本語にすれば、「ボーマンによるUFO目撃」である。

    この手書きメモは、タイプされた通信記録とほぼ同じやり取りを追っている。

    「10時方向、高くにボギー」

    「こちらにデブリがある」

    「数百個の小さな粒子」

    「3〜4マイル」

    「ブースターは自分の側にある」

    「黒い背景に何兆もの粒子」

    こうした言葉が、手書きで残されている。

    タイプされた公式記録と、手書きの整理メモが一緒に残っていることで、この出来事が単なる雑談ではなく、後から確認・整理された対象だったことが分かる。

    これは宇宙人の証拠ではない

    この資料は、宇宙人の存在を証明するものではない。

    また、ジェミニ7号が明確に地球外生命体の乗り物を見たと示すものでもない。

    ただし、宇宙飛行士が軌道上で「ボギー」と呼ぶ未確認対象を報告し、同時にデブリフィールドやブースターの視認についても話していたことは記録されている。

    ここが重要だ。

    UAP(※未確認異常現象)という問題は、いつも派手な結論よりも、観測された事実の切り分けにこそ本質がある。

    何を見たのか。

    どの方向にあったのか。

    距離はどのくらいか。

    ブースターと同一なのか。

    粒子群とは別なのか。

    それとも、複数の視覚要素が重なって「ボギー」と認識されたのか。

    この通信記録は、その問いを1965年の低軌道から投げかけている。

    低軌道の“未確認”

    地上でのUFO目撃とは違い、ジェミニ7号のケースでは舞台が宇宙空間である。

    周囲にはブースターがあり、粒子があり、太陽光があり、黒い宇宙背景がある。

    そこでは、地上とは異なる見え方が生まれる。

    小さな粒子でも太陽光を受ければ強く光る。

    距離感もつかみにくい。

    黒い背景の中では、無数の反射粒子が、異様な光景を作る。

    だからこそ、この目撃は一筋縄ではいかない。

    「宇宙飛行士がUFOを見た」と言えば派手だが、実際の通信記録にはもっと複雑な状況がある。

    ボギー、ブースター、デブリ、粒子、距離、方向、太陽光。

    それらが重なった、低軌道上の未確認体験。

    この資料の面白さは、そこにある。


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    出典元ページの説明

    ジェミニ7号は、アメリカで10回目の有人宇宙飛行だった。

    この文書は、飛行クルーである宇宙飛行士のジェームズ・“ジム”・ラヴェルとフランク・ボーマン、そしてテキサス州ヒューストンの有人飛行センター、現在のジョンソン宇宙センターとの間の通信記録である。

    記録は、ボーマンによる「ボギー」、当時、正体不明の航空機を指す用語と、デブリフィールドの報告から始まる。

    ボーマンはデブリフィールドを「非常に多くの……数百個の小さな粒子」で構成されていると説明し、粒子が宇宙船から4マイル離れていると推定した。

    ラヴェルは、「黒い背景に何兆もの粒子が付着した、太陽に照らされた輝く物体」を目撃したと述べている。

    この文書には、遭遇を記録した手書きのメモも含まれており、右上隅に「ボーマンによるUFO目撃」という注釈が付けられている。

    アセットファイル名:NASA-UAP-D3、ジェミニ7号の記録、1965年

    公開日:2026年5月8日

    機関:NASA

    事件発生日:1965年12月5日

    事件発生場所:低軌道

    文書の種類:PDF

    ページ1:タイプされた通信記録

    テープ番号:T-00763(R1b)

    件名:GT-7/6飛行のPAO(※広報担当官)公開解説

    PAO:それ以来、こちら管制センターのマスターテープから録音を複製しました。これから再生する準備ができています。このテープには、粒子の目撃だけでなく、未確認物体への言及、さらにブースターへの言及も含まれています。では、これからそのテープを再生します。

    宇宙船:ジェミニ7、こちらヒューストン。どう聞こえるか。

    ヒューストン:大きく明瞭に聞こえる、セブン。続けて。

    宇宙船:ボーマン:10時方向、高くにボギーがある。

    ヒューストン:こちらヒューストン、もう一度、セブン。

    宇宙船:ボーマン:10時方向、高くにボギーがあると言った。

    ヒューストン:了解、ジェミニ7。それはブースターか、それとも自然の目撃か。

    宇宙船:何だって?

    ヒューストン:もう一度、セブン。

    宇宙船:ボーマン:こちらにデブリがある。これは実際の目撃だ。

    ヒューストン:何か追加情報はあるか。距離や大きさを推定できるか。

    宇宙船:ボーマン:ブースターも視界に入っている。

    ヒューストン:了解。ブースターも視界に入っているのだな。了解。

    宇宙船:ボーマン:非常に多くの……数百個の小さな粒子が、左側を通過していくように見える。3マイルか4マイルほどの距離だ。

    ヒューストン:多数の小さな粒子が左側を通過している。距離はどれくらいか。

    宇宙船:ボーマン:……聞き取り不能……4マイル。ああ、およそ……聞き取り不能……90度の経路のように見える。

    ヒューストン:了解。およそ3〜4マイル離れていると理解した。

    宇宙船:ボーマン:それらは通過した。いま極軌道に入っていく。

    ヒューストン:了解。3〜4マイル離れていたと理解した。

    宇宙船:そのように見えた。了解。

    ヒューストン:ジェミニ7、こちらヒューストン。その粒子は、ブースターと10時方向高くのボギーに加えて見えたものか。

    宇宙船:ラヴェル:了解。ブースターは自分の側にある。黒い背景の太陽の中で輝く物体で、その上に何兆もの粒子が付着している。

    ヒューストン:了解。それはあなたから見てどの方向にあるか。

    宇宙船:ラヴェル:自分の2時方向あたりだ。

    ヒューストン:それはあなたの前方という意味か。

    宇宙船:ラヴェル:われわれの前方、2時方向で、ゆっくりタンブリングしている。

    ヒューストン:了解。

    PAO:長い間。二重送信。

    PAO:こちらは再びジェミニ管制です。この会話における第3の未確認物体への言及は、もちろんボギーのことでした。ボギーについては複数回の言及がありました。飛行開始から4時間24分時点でのことです。こちらはジェミニ管制です。

    ページ2〜4:手書きメモ

    注記:手書きメモ右上には「UFO Sighting by Borman」、つまり「ボーマンによるUFO目撃」と記されている。

    この手書きメモは、タイプされた通信記録とほぼ同じ内容を追記したものである。

    冒頭には、マスターテープを複製し、粒子だけでなく未確認物体、さらにブースターへの言及を含むテープを再生する、というPAO(※広報担当官)の説明が書かれている。

    その後、ジェミニ7号とヒューストンの交信として、以下の内容が記録されている。

    ジェミニ7号は、ヒューストンに通信状態を確認する。

    ヒューストンは、大きく明瞭に聞こえると返答する。

    ボーマンは、10時方向高くにボギーがあると報告する。

    ヒューストンは聞き返し、ボーマンは再び、10時方向高くにボギーがあると述べる。

    ヒューストンは、それがブースターなのか、それとも自然の目撃なのかを尋ねる。

    ボーマンは、こちらにデブリがあり、これは実際の目撃だと述べる。

    ヒューストンは、距離や大きさを推定できるか尋ねる。

    ボーマンは、ブースターも視界にあると答える。

    ボーマンは、非常に多くの小さな粒子が左側を通過していくように見えると述べる。

    それらは3〜4マイルほど離れていると推定される。

    さらに、聞き取りにくい部分を挟みながら、4マイルほど、そして90度の経路のように見えるという記録がある。

    ヒューストンは、それらが3〜4マイル離れていると理解したと確認する。

    ボーマンは、それらは通過し、極軌道に入っていくと述べる。

    ヒューストンは、粒子がブースターと10時方向高くのボギーに加えて見えたものなのか確認する。

    ラヴェルは、ブースターが自分の側にあると述べる。

    ラヴェルは、それを「黒い背景の太陽の中で輝く物体で、その上に何兆もの粒子が付着している」と説明する。

    ヒューストンが方向を尋ねると、ラヴェルは、自分の2時方向あたりだと答える。

    ヒューストンは、それが前方かどうかを確認する。

    ラヴェルは、われわれの前方、2時方向で、ゆっくりタンブリングしていると述べる。

    最後にPAO(※広報担当官)は、この会話における第3の未確認物体への言及はボギーのことであり、ボギーについて複数回の言及があったと説明している。

    この出来事は、飛行開始から4時間24分時点のものと記録されている。

    出典:U.S. Department of War「Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters(PURSUE)」Release 01、および「255_t_763_r1b_transcripts.pdf」